主に中高年世代に発症するとされ、顔面とくに眉間、鼻の周囲、頬といった部位を中心に赤くなる、小さい吹き出物がみられるなどします。これは、慢性的な炎症疾患によるものと言われますが、現時点で原因は特定できていません。ただ、紫外線の影響、ストレス、アルコールといったものが状態を悪化させるのではないかと言われています。

なお赤ら顔(酒さ)と一口に言いましても、発症の種類としては3つに分けられます。1つは紅斑性酒さと呼ばれるタイプで、鼻や頬の周囲に発赤、かゆみなどの症状がみられるほか、毛細血管の拡張、脂漏やフケなども現れます。飲酒や寒暖差によって、さらに症状が悪化することもあります。次は、酒さ性座瘡というタイプで、ニキビのような症状(赤くなっている丘疹、膿疱 など)が顔全体にみられている状態です。3つ目は鼻瘤というもので、これは鼻が赤くなっているほか、丘疹が集まって鼻頭周囲に表面が凸凹している皮がズル剥け状態の腫瘤が確認できます。このほかにも角膜炎や結膜炎などの眼症状が併発していることもあります。

治療については主に薬物療法が基本となります。具体的には、抗菌薬の内服や外用薬といったものです。また毛細血管の拡張や鼻瘤状態にあるという場合は、レーザー療法などを行います。このほか、血管を拡張させる刺激物(アルコール、カフェイン など)の摂取、ストレス、寒暖差の刺激といったことも避けるなど、生活習慣の見直しも大切です。