蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、細菌感染によって皮膚や皮下組織に炎症が生じる疾患です。主に溶血性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が原因菌とされ、傷口や皮膚の小さな亀裂から細菌が侵入して感染が広がります。顔、手足、特に下肢に発症することが多く、進行が早いため早期治療が重要です。

●症状
蜂窩織炎の主な症状は、発赤(皮膚が赤くなる)、腫れ、熱感、痛みです。感染が広がると発熱、倦怠感、悪寒などの全身症状を伴うことがあります。重症例では、患部に膿がたまったり、リンパ管炎や敗血症を引き起こすこともあります。

●原因とリスク要因
原因菌は通常、健康な皮膚に存在する常在菌ですが、皮膚のバリア機能が損なわれることで感染が成立します。リスク要因として、外傷、糖尿病、リンパ浮腫、免疫力の低下などが挙げられます。また、水虫や皮膚の乾燥による亀裂も感染の入り口になることがあります。

●治療と予防
治療には抗生物質が使用され、軽症の場合は内服薬、重症例では点滴が必要です。適切な治療を行うことで多くの場合は数日から数週間で改善します。予防には、皮膚を清潔に保つこと、傷口を適切にケアすることが重要です。また、水虫や乾燥肌を早期に治療することで発症リスクを軽減できます。

蜂窩織炎は放置すると重篤化する可能性があるため、早期診断と治療を心がけましょう。