薬疹(やくしん)は、薬剤の使用によって引き起こされる皮膚の炎症性反応を指します。主に内服薬(抗生物質、解熱鎮痛薬、抗てんかん薬など)が原因となりますが、まれに外用薬や注射薬でも発生することがあります。薬を服用してから数時間から数週間後に発症することが多く、軽度なものから重篤な症状を伴うものまで、その程度はさまざまです。

●症状
薬疹の症状は多様ですが、一般的には発疹、かゆみ、紅斑(赤い斑点)、膨疹(腫れた発疹)などが現れます。全身に広がる場合や、水疱、ただれ、発熱を伴う場合もあります。まれに、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症などの重篤な症状を引き起こすことがあり、命に関わるケースもあります。

●原因
薬疹は、薬剤に対する免疫系の過剰反応が主な原因です。また、特定の薬剤に対する体質的な要因や、薬の組み合わせによる影響も関与します。一度薬疹が発生した薬剤は再び使用すると同じ反応が起こる可能性が高いです。

●治療と予防
薬疹が疑われた場合は、直ちに原因となる薬の使用を中止し、医師に相談することが重要です。治療には、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を用いて症状を緩和します。重症例では入院治療が必要です。予防には、過去に発疹を引き起こした薬剤を避けることが大切で、医療機関でアレルギー情報を共有することが有効です。

早期発見と適切な対応で、症状の進行を防ぐことができます。