皮脂腺が多いとされる頭部や顔面、腋の下といった部位で皮脂の分泌が過剰となってしまうことで発生する湿疹、鱗屑、痂疲などの症状がみられている状態を脂漏性皮膚炎と言います。主に生まれて間もない乳児と、思春期~40代くらいまでの世代にみられやすいと言われています。乳児の場合は、1歳になるまでには自然と治まるようになりますが、後者の場合は慢性的に繰り返されるようになります。

なお成人でみられる脂漏性皮膚炎は、清潔にしていてもフケのようなものが頭部などからパラパラ落ちるようになるほか、かゆみもみられるようになります。さらに頭皮の一部は赤くなるほか、硬くなっている部分もあります。原因については、皮膚の常在菌でもあるマラセチア菌が関係している、あるいは皮脂分泌機能の異常などが挙げられています。

治療をする場合ですが、乳児は自然と治癒していくものなので、これといった治療はしていきませんが、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、効き目の弱いステロイド外用薬を用いることがあります。一方、成人の脂漏性皮膚炎の患者様は、石鹸やシャンプーによる洗顔や洗髪で清潔に努め、必要であればステロイドの外用薬を用います。またマラセチア菌が関係していのなら、抗真菌薬の外用薬を使っていきます。