痒疹(ようしん)は、強いかゆみを伴う丘疹(ぶつぶつ)が皮膚に生じる疾患です。慢性のかゆみが持続し、何度も繰り返し発症することが多いのが特徴です。皮膚を掻き続けることでさらに悪化し、湿疹や硬い結節(小さな腫瘤)ができることもあります。子どもから高齢者まで幅広い年齢層に発症しますが、特にアトピー性皮膚炎などの既往がある人に多い傾向があります。
●症状と原因
痒疹の主な症状は、強いかゆみを伴う赤みや盛り上がった発疹です。これが体幹、四肢、特に腕や脚に多く現れます。原因として、皮膚への刺激やアレルギー反応、虫刺され、ストレスなどが関与していることがあります。また、慢性的な掻き壊しによって症状が悪化し、さらにかゆみが強くなるという悪循環が起こります。
●治療と対策
治療は、かゆみを抑えることが基本です。抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬、場合によっては免疫抑制剤を使用します。かゆみが強い場合は、かきむしりを防ぐため、爪を短く切ることや保湿ケアを徹底することが大切です。また、発症原因の特定と、その回避が治療の成功に大きく関わります。
痒疹は適切な治療で改善することが期待できるため、早めに皮膚科を受診し、症状に合った治療を受けましょう。