一般的にやけどと呼ばれるケガは、医学用語では熱傷と言われています。これは高温のもの(熱湯 など)に一定時間触れてしまうことで、皮膚や粘膜が損傷を受けている状態を言います。なお低温のもの(44~50℃)であっても長時間触れ続ければ、熱傷の症状がみられるようになります。これを低温やけどと言います。やけどは、症状の程度(Ⅰ~Ⅲ度)によって分類され、治療法もそれに合わせて異なります。

Ⅰ度は軽度のやけどのことで、表皮の範囲のみ熱傷がみられている状態です。皮膚の表面は赤く、ヒリヒリした痛みなどがみられます。またⅡ度熱傷は、真皮の層まで熱傷が及んでいる状態で、比較的浅い場合を浅達性Ⅱ度熱傷、皮下組織の近くまで傷害されている場合を深達性Ⅱ度熱傷とさらに分類されます。この場合、どちらも皮膚にただれや水疱がみられますが、浅達性は水疱の底が赤く、深達性は水疱の底は白くなっていて、瘢痕化しやすいと言われています。さらにⅢ度熱傷は皮下組織にまで熱傷の症状が及び、乾燥した硬い壊死組織がみられるほか、神経まで損傷を受けているので痛みを感じることもありません。

やけどをしてしまった場合、まずその部位を速やかに水で冷やすようにしてください。範囲や程度、場所、年齢などによって異なることもありますが、30分程度は冷やしていきます。

また治療内容についてですが、Ⅰ度熱傷の場合は、主にステロイド系の外用薬を使用していきます。Ⅱ度熱傷では、損傷部位を感染予防のために洗浄し、ワセリンなど軟膏による治療を行っていきます。Ⅲ度熱傷の場合は、壊死組織を取り除き、植皮手術をするなどします。