原発性手掌多汗症は、手のひらに過剰な汗をかく状態を指します。特定の病気や環境条件に起因しないため「原発性」と呼ばれ、思春期ごろから発症することが多いです。発汗の程度は人によって異なり、軽い湿り気から汗が滴り落ちるほど重度な場合までさまざまです。この状態は、体温調節に関与する交感神経が過剰に活性化していることが原因と考えられています。
●症状と影響
手汗は緊張やストレスなど精神的な要因で悪化しやすいのが特徴です。日常生活では、紙を濡らしてしまう、握手を避けたくなる、スマートフォンの操作が困難になるなどの不便が生じます。また、社会的な場面での不安や自信喪失につながることも少なくありません。
●治療法と対策
治療には、制汗薬や抗コリン薬の外用が一般的です。また、ボツリヌス療法やイオントフォレーシス(微弱な電流を用いる治療)、重症の場合は交感神経遮断術が選択肢となります。日常生活では通気性の良い手袋の使用やストレス管理が役立ちます。
手汗は生活に大きな影響を与える場合もありますが、適切な治療で改善が可能です。専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。