この病気は水ぼうそうに罹患したことがある方に発症します。水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することで発症しますが、全身水ぶくれなどの皮膚症状が治まった後も同ウイルスは体外へ排出されることはなく、神経節に潜伏し続けます。その後、過労やストレス、加齢などによって体の免疫力が低下すると、このウイルスは活性化するようになります。その後間もなく、左右どちらか片側の神経支配領域に沿う形で、チクチクなどする神経痛、皮疹(紅斑、水ぶくれ、かさぶた化 など)といった症状がみられるようになります。これを帯状疱疹と言います。
なお皮膚症状については、3週間程度で治まるようになりますが、発症の際に痛みが強く出ていた、高齢になってから発症したとなると、この痛みが長く続くことがあります。ちなみに発症から3ヵ月以上続いていると帯状疱疹後神経痛と診断されます。この場合、痛みをとるための治療が必要になります。
治療に関してですが、発症原因でもある水痘・帯状疱疹ウイルスを抑制するための薬物療法として、抗ヘルペスウイルス薬を使用していきます。また皮膚症状や疼痛については、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、アセトアミノフェン、ステロイドの内服薬、神経ブロック注射などが用いられます。
このほか任意接種(全額自己負担)ではありますが、50歳以上の方であれば帯状疱疹ワクチンを接種することができます。同ワクチンを接種することで、帯状疱疹を発症しにくくなる、あるいは発症したとしても重症化するリスクが低減されるようになります。