乾癬

乾癬とは、全身の皮膚に銀白色をした鱗屑とくっきりした紅斑がいくつも現れている皮膚疾患のことで、一部はフケのようにボロボロと落ちるようになるほか、人によってはかゆみがみられることもあります。慢性的な病気とされ、皮膚細胞の異常な増殖(皮膚のターンオーバーの周期が短い など)が関係していると言われますが、現時点で原因は完全に特定されてはいません。

なお一口に乾癬と言いましても、大きく5つのタイプ(尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節症)に分かれるのですが、日本人の全乾癬患者様の9割近くが尋常性乾癬と言われています。この場合、全身の至る部位で発生する可能性はありますが、その中でも、頭部、肘や膝の内側、臀部などで起きやすいと言われています。日本では有病率は0.1%前後(欧米は約3%)とされていますが、年々上昇傾向にあります。

治療方法に関しては様々ありますが、患者様の症状の程度によって、使い分けていきます。内容としては、主にビタミンD3やステロイド系の外用薬、紫外線療法(PUVA、NA-UVB)、内服薬(レチノイド、シクロスポリン、メソトレキサート など)が用いられます。また上記の治療法では、改善が困難、内服薬を使うと副作用がみられるという場合は、生物学的製剤(TNF-α阻害薬 など)による注射療法が行われます。

掌蹠膿疱症

左右の手のひらや足の裏に小さな水疱が多発したかと思えば、それが間もなく膿疱化してしまうのが掌蹠膿疱症です。また周囲には湿疹がみられるようにもなるのですが、かゆみの症状がみられることもあります。膿疱については、その後は痂疲化するなどして軽快していきますが、この症状を慢性的に繰り返すのも同疾患の特徴です。

発症の原因については、扁桃腺、歯、鼻といった外部と接触しやすい部位に慢性の感染症がみられる、あるいは金属アレルギーのある方、喫煙者も発症するリスクがあると言われています。

同疾患は症状が特徴的なので、その経過などから診断がつけられることもありますが、似たような症状がみられる病気(水虫 など)もあるので、病変の一部を採取して、顕微鏡で詳細を調べる皮膚生検を行うこともあります。

治療に関してですが、扁桃腺による感染症や喫煙、金属アレルギーなど原因が特定しているのであれば、扁桃の摘出、禁煙、歯科金属を取り除くなどを行っていきます。また皮膚症状を抑える治療では、ステロイドや活性型ビタミンD3の外用薬による薬物療法、光線療法(PUVA、NB-UVB)などをしていきます。