丹毒(たんどく)は、皮膚や皮下組織に細菌感染が起こり、赤く腫れる炎症を引き起こす疾患です。主に溶血性連鎖球菌が原因菌とされ、傷口や皮膚の小さな亀裂から細菌が侵入して感染が広がります。顔や脚、手などに発症しやすく、特に高齢者や免疫力が低下している人で多く見られます。
●症状
丹毒の特徴は、患部が明瞭な境界を持つ赤い発疹や腫れです。この部分は熱を帯び、触れると痛みを伴います。発症部位が腫れるだけでなく、リンパ管を通じて炎症が広がることもあります。また、高熱(38〜40℃)、悪寒、倦怠感といった全身症状がしばしばみられます。放置すると感染が深部に進行し、蜂窩織炎や敗血症などを引き起こす可能性があります。
●原因とリスク要因
丹毒は、皮膚のバリア機能が低下することで細菌が侵入し発症します。外傷、皮膚の亀裂、水虫、リンパ浮腫、糖尿病などがリスクを高める要因です。特に足にできた水虫から発症するケースが多いとされています。
●治療と予防
治療には抗生物質(ペニシリン系やセフェム系)が用いられます。重症の場合は入院し、点滴治療を行うこともあります。予防には、皮膚を清潔に保つこと、傷口を適切にケアすることが重要です。また、水虫や乾燥肌などの皮膚疾患を早めに治療することで発症リスクを下げられます。
丹毒は早期治療で改善が期待できるため、症状が出た場合はすぐに医師に相談しましょう。