一口にイボと言いましても様々な種類があるわけですが、一般的には目で確認するのが困難なくらいの皮膚にできた小さな傷からヒトパピローマウイルス(HPV)が侵入し、感染することで発生する尋常性疣贅(ウイルス性疣贅)を意味することが多いです。この場合、世代に関係なく発症しますが、なかでも子どもが発症しやすいと言われています。好発しやすい部位は、手足とされていますが、傷になりやすい部位(肘、膝、顔面、手指 など)でも起きやすくなります。単体の場合もあれば、複数個発生することもあります。

このイボというのは、直径1cm未満の場合が多く、自覚症状はありません。形状は円形が多いですが、それ以外も少なくないです。色については、灰黒色、茶褐色、明るい灰色など様々で、表面はザラザラした感触があります。またどうしても見た目が気になるので、イボを自らの手で除去したいと患部をいじるなどすれば、ウイルスを巻き散らして、イボを増やしてしまうこともあります。そのため処置したいのであれば、必ず皮膚科をご受診されるようにしてください。

イボは、そのまま放置でも命に影響することはありませんが、ウイルス性であれば、増やしてしまう可能性もあるので、除去による治療を行うことが多いです。この場合、最も一般的なのが液体窒素を用いた凍結療法です。マイナス196度の液体窒素をイボに押し当てるので、治療中や治療後に痛みを感じることがあります。この場合、1度の治療で切除できることはないので、1~2週間に1回の間隔で数ヵ月程度は通院することになります。このほか、ヨクイニンなど漢方薬を使用する薬物療法、炭酸ガスレーザーや執刀による切除(手術療法)が行われることもあります。