ひょうそ(爪周囲炎〈そうしゅういえん〉)は、爪の周囲に細菌や真菌(カビ)が感染し、炎症を引き起こす疾患です。主に手や足の指先に発生し、爪の根元や側面が赤く腫れ、痛みや膿が生じるのが特徴です。日常生活での些細な外傷(ささくれや爪を噛む癖など)から感染することが多い疾患です。
●症状
初期段階では、爪の周囲が赤く腫れて軽い痛みを感じます。進行すると腫れが悪化し、膿がたまり、触れると激しい痛みを伴うようになります。さらに重症化すると、感染が指全体に広がり、蜂窩織炎を引き起こすこともあります。真菌が原因の場合、症状が慢性的に続くことがあります。
●原因とリスク要因
原因となる細菌は、主に黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌で、真菌(カンジダ菌)が関与する場合もあります。ささくれや爪を切りすぎること、ネイルアートや人工爪の装着、手足の湿潤状態が感染リスクを高めます。また、糖尿病や免疫力低下のある人は発症しやすい傾向があります。
●治療と予防
軽症の場合、患部を清潔に保ち、抗生物質の軟膏を塗布することで改善します。膿がたまっている場合は、医師が切開して排膿することがあります。重症例では、抗生物質の内服や点滴が必要です。予防には、手足の清潔を保つこと、爪を適切にケアすること、ささくれを引っ張らないことが重要です。
ひょうそは早期対応で治癒が期待できるため、違和感を感じたら速やかに対処しましょう。