口なめ皮膚炎は、口周りの皮膚に繰り返し刺激が加わることで炎症を起こす皮膚疾患で、正式には口囲皮膚炎(こういひふえん)と呼ばれます。特に、幼児や乳児が唇の周りを舌でなめる癖がある場合に発症しやすい疾患です。唾液による皮膚の刺激と乾燥が繰り返されることで、炎症が進行します。

●症状
口の周囲が赤くなり、乾燥して皮がむけることが主な症状です。ひりひりしたり、かゆみを伴う場合もあります。進行すると、湿疹が広がり、さらに悪化して亀裂やかさぶたができることがあります。また、刺激を受け続けることで皮膚が硬くなったり、色素沈着が起こることもあります。

●原因
口なめ皮膚炎の原因は、唾液による皮膚の繰り返しの刺激と乾燥です。唾液には酵素が含まれており、皮膚のバリア機能を損なうことがあります。また、寒冷や乾燥した気候、アレルギー体質も悪化の要因になります。子どもの癖として無意識に唇周りをなめ続ける行動が症状を悪化させます。

●治療と予防
治療には、皮膚の保湿を徹底することが重要です。ワセリンや保湿クリームを患部に塗布し、皮膚を保護します。症状がひどい場合には、医師の指示により低濃度のステロイド外用薬を使用することもあります。

予防には、子どもが口周りをなめる癖を改善することが必要です。また、乾燥しやすい季節には適切なスキンケアを行い、皮膚を保護することで再発を防ぐことができます。