医学用語では伝染性膿痂疹と呼ばれ、原因菌によって痂疲性膿痂疹、水疱性膿痂疹に分けられます。ここでは、乳幼児に多くみられる水疱性膿痂疹によるとびひについて説明します。
水疱性膿痂疹は、皮膚に常在する黄色ブドウ球菌が、切り傷やすり傷、アトピー性皮膚炎や虫刺され、あせもなどのかゆみの症状から作られた引っかき傷などから入り込んで感染し、それによって発生した薄い膜で覆われた透明な水疱のことを言います。顔や手足などでみられるようになりますが、かゆみが伴うので、多くは爪を立てて水疱をつぶすようになります。すると菌が付いた指先で体のあちこちを触るようになるので、水疱が瞬く間に全身に広がるようになります。その様子が火の粉から発生する火事にも似ていることから一般的には飛び火と言われるようになりました。
なお水疱が破れると赤くただれた皮膚の部分が露出し(びらん状態)、それがかさぶた化し、剥がれると治癒になります。その期間は1週間程度と言われています。
治療の中心は薬物療法です。抗菌薬の内服と軟膏を使用していきます。またかゆみの症状が強ければ抗ヒスタミン薬を使用していきます。またスキンケアとして、石鹸で洗い、シャワーで流すなど皮膚を清潔に保つことも大切です。