カビの一種とされる白癬菌が主に足の皮膚に入り込むことで様々な皮膚症状が起きている状態を足白癬と言いますが、一般的にはこれを水虫と言います。なお白癬菌は、手や体、股の部分などにも感染し、発症することもあります。この場合、それぞれ、手白癬、体部白癬、股部白癬(いんきんたむし)と診断され、各々の治療が行われるようになります。
足白癬(水虫)については、主に3つのタイプ(趾間型、小水疱型、角質増殖型)に分類されます。趾間型は、足の指の間に発生する水虫で、患部に紅斑や水疱、皮がボロボロ剥けるなどの皮膚症状があるほか、かゆみもみられます。小水疱型は、小さな水疱などが足指の付け根、土踏まず、足の外側の部分等に多発し、これらが潰れるなどすると、やがて皮が剥けてカサカサした状態になります。この場合、水疱が発生すると同時くらいに強いかゆみの症状がみられます。最後の角質増殖型は極めて稀なケースで、足底の全ての部分で角質層が肥厚化している状態で鱗屑(皮がボロボロと剥け、皮膚はカサカサしている)もみられますが、かゆみや痛みなどの症状はありません。ただ、踵の部分に亀裂が入るなどすると痛みが出ることがあります。このほか、足白癬が足の爪の方まで感染すると爪白癬を併発することもあります。
感染経路については、不特定多数の方との足ふきマットやサンダルの使い回し、タオルなどの共有などが挙げられます。ちなみに足白癬は足の皮膚に白癬菌が付着したとしても24時間以内に洗い落とすことができれば感染しません。ただ足の裏に傷があるなどすれば、その半分程度の時間で感染するようになります。
患者様の症状や訴えなどから足白癬が疑われると、足の角質層の一部を採取し、それを顕微鏡で調べ、白癬菌の有無を確認していきます。治療が必要という場合は、主に抗真菌薬の外用薬を使用していくことになります。ただ角質増殖型では、薬が浸透しにくいので、抗真菌薬の内服となります。